外科用ディスプレイとは?
外科用ディスプレイは、手術室で使用するために設計された 医療グレードのモニター です。外科用モニターは通常、内視鏡手術または画像下治療(IVR)などの画像誘導による外科手術中に使用されるモニターを指します。外科用ディスプレイはまた、外科手術中のPACS画像やバイタルサインなどの重要な患者情報を表示できます。
手術用モニターの種類
外科用ディスプレイは、患者の生体構造をリアルに画像表示することができます。特に画像誘導による手術においては、画像が遅れることなく瞬時に表示されることが欠かせません。これにより、画面上に表示されるものとリアルタイムで行われているものが一致するため、外科医の視覚情報に対する手技の反応速度が向上します。
手術用モニターにはさまざまな形があります。患者近接ディスプレイから大画面の手術室向けディスプレイまで、さまざまなディスプレイが用意されています。特に インターベンション放射線学では、ユーザー インターフェイス、タッチ ディスプレイ、コントロール ディスプレイなどの他のタイプの外科用デバイスを導入できます。こうしたディスプレイは、さまざまなイメージングシステムや画像の管理および制御用に設計されています。
外科用コントロールルーム内のコントロールパネルとディスプレイ
外科用ユーザーインターフェース
手術室用大画面ディスプレイと内視鏡検査用ディスプレイ
フルHDから4Kへ
解像度がフルHDの4倍である4Kの解像度では、画面に表示される細部のレベルが格段に向上しています。臨床医は、さらに細部の解剖画像や臨床関連情報を確認できるようになります。4Kによって、画面の解像度が向上するだけでなく、より広い色域で黒の部分は黒く表示されるようになります。その結果、細部まできちんと正確な色で表示された画像により、血管や神経などの細かい組織の種類や構造をより正確に観察することができるようになります。
奥行きの認識も重要です。4Kの解像度により、より広い色域と高いコントラストで、細部まで鮮明な画像が表示されるようになり、外科医の奥行き知覚も向上します。奥行き知覚により没入感がより一層高まる環境が作り出され、外科医は手術だけに集中してこれまで以上に正確な手術を行うことが可能になります。
画質を左右する要素
ディスプレイの輝度は不可欠です。バックライトの安定化により、一貫性のある画像輝度を長期にわたって保つことができます。特別なメディカル・ディスプレイ技術により、画像のアーティファクトやノイズを取り除き、焦点のあった動画を保証できます。
ローカルコントラストもまた重要です。統合ルックアップテーブルにより、手術室でDICOMのレントゲン画像を正確に表示して、暗部が必要以上に明るくなるのを防ぎます。
広い色域や角度から外れた場合、つまり外科医がディスプレイ正面に直接立っていない場合に、色が変化しないようにするなどもまた画質を維持するうえで重要な要素と言えます。
手術用モニターは、画像誘導手術中の外科医の目になります。最高水準の画質により、外科医は正確な深さと色を知ることができ、安全で効率の良い処置を行うことができます。
衛生
手術室では衛生管理が極めて重要です。外科用ディスプレイは汚染物質の飛散を防ぐよう設計されています。こうしたディスプレイは、ベント冷却機能を備えたファンを必要としない設計で簡単に清掃と消毒ができます。
安全性
一部の手術用モニターには、常にバックアップ信号を確保するための自動フェイルオーバー機能が備わっています。これは、技術的な故障の場合にも、外科医および手術室スタッフに外科手術中に必要な重要なすべての情報を引き続き表示できるということです。
外科用ディスプレイのほとんどは、手術室が乱雑にならないよう設計されています。外科用アームやブームに取り付けることができ、ケーブルは見えないようにすっきりと配線され、画面は通常耐傷性のある仕様になっています。メディカル・ディスプレイとして認定を受けたすべての外科用ディスプレイは、必要な医療認定を受けています。
ビデオ統合
手術用モニターは ビデオ統合システム経由で管理できます。外科用ディスプレイの中には、統合システム経由でのビデオ信号の変換や配信が可能になる統合アダプタを搭載したものもあります。
まとめ
外科用ディスプレイは、手術室の外科医や臨床医向けに、内視鏡画像、外科手術用フィード、脳活動、バイタルサイン、レントゲン、患者データなど多数の重要な情報を提供します。手術用モニターの画質は、外科医の手と目のコーディネーションに影響を与え、ひいては手術の結果に影響を与えるため、非常に重要です。手術室の衛生と安全を確保するため、 医療グレード 設計が必須です。