DICOMキャリブレーションとは?
DICOMキャリブレーションは、DICOM GSDF (グレースケール標準表示機能) 標準への準拠を保証するための 医療キャリブレーション の一種です。DICOM規格では、グレイスケール画像が一貫して表示されるためにメディカル・ディスプレイ上にどのようにグレースケール画像を表示すべきかを定義しています。
DICOMについて
DICOMはDigital Imaging and Communication in Medicineの略で、メディカルイメージングの情報のやり取りや管理方法を定義した医療規格です。これに関連したDICOM第14部は、アメリカ電気工業会(NEMA)および米国放射線学会(ACR)によって発行されました。
DICOMPart14には、メディカルイメージングに使用されるディスプレイにおけるグレイスケールディスプレイファンクションのkキャリブレーションと品質保証のテストの実施方法に関する厳格なガイドラインが示されています。
DICOMのガイドラインに沿って校正されている医療画像は、画像の微妙な細部まで分かりやすく表示されています。
カラーに関するガイドライン策定も間近
DICOM第14部では、グレイスケール表示に関するガイドラインのみが提供されています。しかしながら、メディカルイメージングでもカラーモダリティ表示が増えてきており、規格を見直す必要に迫られています。現在、カラーのメディカル・ディスプレイは、GSDF規格に沿って校正されているか、あるいはヘルスケア関係者でも消費者向けのカラーディスプレイを使用しているかのいずれかです。正確な医療画像をカラーで表示するにはこれでは不十分です。
そのため最近になって、DICOM GSDFの延長としてカラー標準ディスプレイファンクション(CSDF)の導入が提案されました。この新しい規格が導入されることで、カラーの医療画像精度を高いレベルに保つことが可能になります。
DICOMの校正の仕組み
メディカル・ディスプレイのDICOMキャリブレーションでは、ディスプレイの前面に取り付けられ、外部からの光源を排除するための内部バッフルを備えた、高精度の前面光度計が必要になります。前面センサでなければならない理由は、センサにより、ディスプレイのバックライトの出力だけでなく画像が表示されている箇所の輝度を測定するためです。
この種の光度計は、ディスプレイの輝度を正確に測定して記録できるので、リアルタイムでの調整が可能になります。最も正確な測定は、固定光度計を使うことで実現できます。固定光度計は、完全なDICOMカーブの正確で追跡可能な測定を、毎秒2回、ディスプレイの耐用年数期間にわたって提供します。
スクリーン前面(I-Guard)に高精度の光度計を表示するLCDスクリーンにより、安定したDICOMキャリブレーションが可能です。
まとめ
医療画像処理に使用されるディスプレイ は、医療ディスプレイ上で重要な詳細を表示するために許容されるグレーと黒の範囲を定義するDICOM GSDF標準に準拠する必要があります。カラーのメディカル・ディスプレイ用に、新しいガイドラインの策定が進んでいます。メディカルイメージングに使用されるディスプレイはすべて、臨床医に最適なピクセルの画像を提供するためこうした規格に従って校正されていなければなりません。